Nanna・Ditzel
ナナ・ディッツェル


1923年生まれのコペンハーゲン出身のナナ ディッツェル(Nanna Ditzel)は、家具職人として修行をした後、コペンハーゲンのデンマーク美術工芸デザイン学校で家具のデザインを学び、1946年にすべての課程を終了しました。ディッツェルは、20世紀を代表する家具、そしてジュエリーデザイナーの一人です。デンマークデザインの黄金期として知られる第二次世界大戦後に、スカンジナビアンデザインの著名人とともに最も多くの作品を残しました。 初期の頃、ディッツェルの革新性は他の家具デザイナーとは一線を画していました。グラスファイバー、網細工、気泡ゴムなど異なる素材を試した彼女は、原則に従うことが不可能であることに気づき、キャビネット製作、ジュエリー、テーブルウエア、応用芸術、テキスタイルなどの多岐に渡る分野に携わるのを好むようになりました。 スタッキングチェアの最高峰デザインとして、世界中から愛され、デザイナーたちからの賞賛も高いナナ・ディッツェルの「トリニダッドチェア(トリニダードチェア)」。 「トリニダッドチェア」のエキゾチックで洗練されたデザインは、カリブ海に浮かぶトリニダード島の伝統的な透かし彫り細工からインスピレーションを受けたもので、極楽鳥をイメージしてデザインされています。 ナナ・ディッツェルが生涯にわたってこだわった、円形というフォルム、自然や身近な生物から得る色彩や素材に対する好奇心が見事に体現されたこの「トリニダードチェア」は、1995年にID賞を受賞した作品でもあります。 生前、ディッツェルは、アムステルダム、ニューヨーク、ウィーン、ロンドン、ストックホルム、ミラノ、グラスゴー、マンチェスター、レイキャヴィーク、パリ、デンマークなどで何度もその作品を展示しました。デンマークそして海外において、数多くの賞を受賞しました。