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スタッフブログ

【2016.10.26】「PP58」をオイル仕様へ変更


さて本日は、先ごろ展示を開始した「PP58」の塗装を変更いたします。

変更前は「ソープフィニッシュ仕上」、変更後は「オイル仕上」となりますので、もしお持ちの家具がソープフィニッシュでオイル塗装へと変更をされたい方がいらっしゃいましたら、ご参考までにどうぞ。
もちろん、塗装の塗り替えではなく、オイル再塗装のかたも参考にしてください。
※人によって塗装方法に若干の違いがございます。あくまでサボファニチャー流ということでご承知おきください。


まず、オイル塗装前に必要な道具をご説明いたします。
オイル塗装で使うオイルは、当店でも販売しております「ワトコオイル(ナチュラル)」を使用いたします。
「ワトコオイル」は通称ダニッシュオイル(デンマークオイル)とも呼ばれており、亜麻仁油ベースの塗料です。
安価でホームセンターでも手に入るのが嬉しいですね。

次にウエス(いらなくなったTシャツ等の柔らかい布)を用意します。
ホームセンターでも購入できますが、ご自宅にある廃棄予定のTシャツを切って利用しても構いません。
今回は、使い捨てペーパーウエスを使用いたします(布ウエスの方が塗り広がりやすいです)。

オイルを塗る際にはゴム手袋をしてくださいね。

下記は、必要であれば用意をしてください。
マスキングテープ、サンドペーパー、研磨パッド。
今回は、座面を取り外しフレームのみオイル塗装をいたしますが、座面が外せない椅子(ペーパーコード座面)の場合はオイルが付かないように、マスキングテープで養生してからオイル塗装をしてください。
また、木部の汚れが気になる人は、オイル塗装前にサンドペーパーで汚れを削り落としてしまいましょう。
用意するサンドペーパーの番目は#320と#400です。
#320で汚れを取るように椅子全体を研磨し、その後、#400研磨で表面を滑らかにします。
※研磨する時は必ず木目に沿って!!
好みにもよりますが、個人的には木部表面は荒いよりも滑らかな方が好きですので、#400までは必ず研磨します。オイルのノリも良くなりますよ。
なお、汚れが酷いからといって一箇所を集中して研磨せず、全体を軽く研磨する程度にしてくださいね。
強く研磨しすぎるとラインが崩れてしまう可能性がございます(折角の美しい曲線が台無しになりますよー)。
また、研磨時は写真にあるようなパッドを使うと一箇所に力が掛かり過ぎないのでオススメです。


予め座面を外したフレームにオイルを塗布していきます。
カール・ハンセンの椅子は「六角」、PPモブラーの椅子は「ヘクスローブ」と座面固定のネジ形状が異なるためご注意ください。

通常、ソープフィニッシュからオイル塗装への塗り替えは、汚れが気にならない限り研磨する必要はございません。そのままオイルを塗ってください。
ただし、オイル塗装の上からソープフィニッシュ塗装へと変更される場合は研磨が必要です。
基本的にはオイルは木部浸透塗料ですので、油分を取り除かなければ石鹸が油分にはじかれて塗れません。
そのため、浸透したオイルをなるべく除去するために研磨が必要となります。

オイル塗布方法ですが、ウエスに付けるオイルは少量で構いません。
木目に沿って、ウエスに付けたオイルを薄く伸ばすように全体を塗布してください。
なるべくムラがなく、全体を均一に仕上げる場合は、2度塗りがオススメですよ。
多めに付けすぎた場合やオイルが滲み出てくる場合は、塗布後10分乾燥させてからオイルが付いていないウエスで軽く拭き取ってください。
その後、丸一日ほど乾燥させれば完了です。

どうですか?簡単でしょう?

オイル塗布後にもし木部表面にザラつきがでる場合は、#400で軽く研磨してザラつきを取り除き、再度薄くオイルを塗布してください。

これでソープフィニッシュからオイル塗装への塗り替えは完了です。
日々のオイルメンテナンス(半年〜年に1回)も同様の方法です。

必ず守っていただきたいのは、オイルが付いたウエスの廃棄方法です。
使用後のウエスは自然発火の可能性がございますので、ご使用後は必ず水で濡らし、ビニール袋に入れてからゴミ箱に捨ててください。
またゴミ箱は直射日光の当たらない場所に置いてくださいね。

自分的にオイルは不快な匂いではないのですが、塗装中は必ず換気をしてくださいね。


どうでしょうか?
ソープフィニッシュの「PP58」がオイル仕上げへと変わりました♪
色が濃くなったのがお分かりになりますか?

椅子を汚れから防ぎ、風合いを増すためにも是非皆様も日々のメンテナンスは欠かさないようお願い致します!

【2016.10.13】「PP58」展示始めました


皆様お久しぶりです、サボファニチャーの店主です。

タイトルのとおり、当店の椅子に新しい家族が増えました♪
その名も「PP58」。
そうです、以前から展示がございました「PP68」の対となる、座面違いの椅子です。

「PP68」は座面がペーパーコード仕様となっており、今回展示に加わった「PP58」は座面をクッションが入ったレザーもしくはファブリック仕様でご注文いただける椅子です。
基本的なデザインは同じですが、座面の張座を支えるための構造に若干の違いがございます。
「PP68」はペーパーコードを張ることから、「Yチェア」と同様に前後左右の座面箇所は丸く加工された木材で構成されていますが、「PP58」は張座面を下で支える木構造になっています。
また、座面下の前後の支え材に幅があるので(ペーパーコードを巻きつける必要がないので幅が取れる)、脚部との接合がより頑丈なことから、脚と脚の間の貫材がございません(前後のみ。左右には貫材あり)。
これによりデザイン的にもスッキリとし、且つ、座った時に足も自由に動かせ易いというメリットがございます。

「PP68」とはまた違った座り心地を楽しんでいただける素敵な椅子なのです。
ウェグナーのダイニングチェアとしては最後の作品ですので、長く培った椅子の哲学が全て詰まった至高の逸品ですね。
他にも、同デザインで3本脚のチェアもございます。
こちらも将来的には展示品として加えたいと考えていますが、もう少し先となりそうですね。


さて、そんな「PP58」ですが、当店展示として購入したものは、お写真にあるビーチ材、ソープ仕上げ、ファブリック座面仕様です。
現状ではソープ仕上げなのですが、当店にビーチ材オイル仕上げの展示チェアが他に無いことから、近日中にオイル塗装を施す予定です。
その過程は近々ブログにアップいたしますので、暫くお待ちくださいませ。

「PP58」を購入される多くの方はレザー座面でご注文されることが多いのですが、当店ではあえてファブリック座面としてみました。
しかも「Kvadrat社(デンマークのファブリックメーカー)」の「Divina Melange」という少し変わったファブリックです。しかもお色はブリティッシュグリーン(濃い緑)!!
ブリティッシュグリーンは当店のコンセプトカラーでもあります。
「Divina Melange」はフェルトのような表面に複数色のベース糸を混ぜ合わせている生地で厚みもあり頑丈で、とても高級感がございます。
個人的に「Kvadrat社」のファブリックの中では一番好きな生地がこの「Divina Melange」です。

ただし、「PPモブラー」でも「カール・ハンセン&サン」でも、「Divina Melange」は国内在庫生地ではございませんので、ご注文をいただいてから2〜5カ月は納品に掛かります。
ですが折角ですので、世界に一つしか無いような仕様でご注文されるのは正しい選択だと思いますよ。


「PP58」の座り心地をお試しになっていただくと同時に、是非「Divina Melange」の生地もご覧になってくださいね。
もちろん「Kvadrat」社の他の生地もご注文いただけますので、当店の生地ページも閲覧ください。
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